水俣湾埋立地の水銀ヘドロのこと

六月に東京で開かれた集会では「水俣湾埋立地のメチル水銀汚泥を回収し安全処理せよ」と要求したようだ。

いくつか疑問があるが、なかでも「水俣湾埋立地は、湾内に堆積していた六〇〇ppm―二五ppmのメチル水銀汚泥一五一万立方メートルを無処理で封じ込めた」と書かれているが、私の知る限りでは「六〇〇ppm-二五ppmのメチル水銀汚泥」がどこで確認されたか知らない。

水俣湾のへドロについては、一九七七年一二月に「ヘドロ工事の差し止めを求める仮処分申請」を熊本地裁に行っているが、その最終準備書面で「硫化水銀→硫酸水銀→メチル水銀」というメチレーション(無機水銀のメチル化)の可能性に言及している。そのことは逆にいえば、その時点での水俣湾内の水銀ヘドロは硫化水銀であると、原告側も基本的には了解していたといえよう。

ただ最終準備書面では、藤木素士が「硫化水銀の形をとっていると考えられる」と述べていることに対して、「確認」していないと批判はしている。

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