考証館の雨漏りの件

朝から考証館を掃除に行ったスタッフから、
「考証館が雨漏りしています!…どうしましょう!」との校内放送。

職員総出で走りました!

天井からすたすたと雨漏り、床はびしょ濡れで低い方には雨水が溜まっています。愕然としながらも各職員で濡れた床を雑巾やモップで拭きあげたり、屋根の掃除に行ったり、原因箇所を屋根裏から覗こうとしたり。

相思社機関誌ごんずいのバックナンバーの表紙をラミネートして天井に貼り紹介をしているのですが、その部分からの雨漏りです。

今回は小展示室でしたが、
展示物のある考証館本体には猫実験小屋や石牟礼道子さんの苦海浄土の生原稿や汚染当時の水銀を含んだ瓶入りのヘドロ、運動の際に使われた怨の旗やゼッケン、仕切り網や患者たちが使っていた漁具や船など、貴重な実物資料がいっぱいです。
展示パネルも職員が丹精込めて作った力作ばかり。

考証館はむかし、若い患者のためのキノコ工場だったので、湿気が強い割に空調はなく、鳥が入ってきて糞をしてしまったり、虫の死骸が転がっていたり、野性味あふれていて、資料を保存展示するには元々全く不向きです。これに雨漏りが加わったらと考えると…。

私は子どもの頃、小学生の頃に初めて考証館に入り、実物展示が訴える力に圧倒されました。怖い、おどろおどろしいという印象でしたが、はだしのゲンなどと同じように、記憶に残り、その後の人生に少なからず影響を与える力を考証館は持っています。
いま水俣の子どもたちは新しく美しく空調も整った水俣病資料館に行くのですが、ぜひ考証館と両方へ行って、その内容を見比べてもらいたいと思っています。

考証館には、水俣病発生以前からの事件や患者の歴史が詰まっています。
私は、設立した当時から一貫して患者側のスタンスで展示を行っているところに、また事実を事実として残し、伝え続けていることに、誇りをもってここにいます。
水俣病事件で行われているいくつもの失敗や罪の証拠を残す場所とも言える考証館を、これからも丸ごと守り続けたい。今回の雨漏りで、今が考証館の建て替えやその予算を作ることを真剣に考える時なんだと改めて自覚しました。頑張ります!

雨漏り箇所の写真をアップします。


(撮影は相思社ボランティアスタッフの方です)

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