メール配信TOPへ :2005年 :


2005/04/02 驚天動地の滝澤発言


水俣病センター相思社よりご案内をお送りさせていただきます。
※このメールは当方でメールアドレスが分かる方にお送りしています。
 こうしたメールがご不要の方、アドレスの変更は、お手数ですがご連絡下さい。

----------------------------------------------------------------------
 水俣でも財政緊縮が進められる中、水俣市の管理するキャンプ場「グリーン
スポーツみなまた」も閉鎖が打ち出され、昨年度1年間は体制が大幅に縮小さ
れてなんとか存続していた状況でした。水俣病激発地帯の茂道漁村に隣接する
ここは、水俣本来の植生である照葉樹林とその森が波打ち際まで迫る自然海岸
が残され、水俣を訪れる人たちに風土と暮らしに密接した形で水俣病を伝える
恰好の場所です。相思社の小里も参加した「存続を求める会」の活動の結果、
民間委託により経費圧縮が図れるならと、現在、維持管理を行う団体が募集さ
れるところまで来ました。市民の手によってうまく維持活用していきたいもの
です。
----------------------------------------------------------2005/4/21---

以下、転載歓迎                 (掲載価格は税込です)

───────────────────────────────────
(1)新刊書などのご案内
───────────────────────────────────
〜新刊書など〜

●丸山定巳ほか編『水俣からの想像力−問いつづける水俣病−』
                  熊本出版文化会館 2005年 2100円
 ※水俣病の「素人」も執筆に加わり、水俣を神話にすることのない自由な議
  論、誰もが自分自身に引きつけて考えられるような多様な再構築を目指す

●相思社特製カレンダー『水俣病を伝える』 525円
 ※水俣病を伝える活動の様々な場面の写真を使いました。卓上サイズ(フロ
  ッピーディスクサイズ)、2005年度用(2005年4月〜2006年3月)

〜既刊書ですが、新たに取り扱いを始めました〜

●津田敏秀著『医学者は公害事件で何をしてきたのか』
                      岩波書店 2004年 2730円
 ※水俣病裁判で患者側証人に立った著者が、水俣病事件を中心に、加害者を
  利した医学者の言動のでたらめさを詳細に検証

●吉井惠璃子著『水守の家』「Hand to Land」編集室 2003年 1000円
 ※水俣の山間部で暮らす著者がお気に入りの4編をまとめた短編集。自然と
  ともに生きる人びとの人間模様を描く

●月刊現代農業増刊『地域から変わる日本 地元学とは何か』
                   農山漁村文化協会 2001年 900円
 ※水俣の吉本哲郎氏が提唱し、全国で展開する地元学の各地からの報告。残
  部わずかな好評の地元学テキスト「風に聞け、土に聞け」も掲載

 ぜひ相思社でご購入下さい
http://soshisha.org/shoseki/shoseki_frame.htm

───────────────────────────────────
(2)蔵出し書籍・資料販売のお知らせ
───────────────────────────────────
■『おらは おっだ! '95水俣・夏の元気ワークショップの記録』
                   高崎明 1996年 A4・34頁 500円
 ※胎児性水俣病患者の人たちが参加。生身の彼らとの出会いの記録

■『水俣病認定申請棄却処分取消請求事件判決』
             棄却取消訴訟事務局 1986年 B5・205頁 500円
 ※1986年3月の熊本地裁判決文に若干の新聞記事資料などを添付

■『自立へのたびだち 水俣「みちことオーサ」上映会報告集』
                同実行委員会 1983年 B5・49頁 500円
 ※水俣病患者らによる、障害者の社会参加を描いた映画の上映会報告集

■『ひらく・合本 第1号〜第7号(82.2.5〜83.3.18)』
               水俣生活学校をひらく会 B5・74頁 1000円
 ※先駆的なフリースクール水俣生活学校をひらく会の通信の合本

■『映画「水俣の図・物語」』青林舎 1981年 A4・32頁 600円
 ※映画パンフ。丸木位里・俊の語りに加え、水上勉らも寄稿

 すべて残部わずかですので、興味のある方はお早めにお申し込み下さい。水
俣病関連以外の希少本も今後ホームページに掲載予定です。

───────────────────────────────────
(3)大阪で土本典昭フィルモグラフィー展2005が開催されます
───────────────────────────────────
 日本を代表するドキュメンタリー映画作家・土本典昭。水俣に伴走しつつ製
作された、世界の映画史上に残る傑作の数々を一挙上映!

★☆ 土本典昭フィルモグラフィー展2005 ☆★

    日 時:2005年4月30日(土)〜5月13日(金)
    場 所:シネ・ヌーヴォ
        (地下鉄中央線九条駅徒歩3分、TEL.06-6582-1416)
    主 催:土本典昭フィルモグラフィ展実行委員会、シネ・ヌーヴォ
    料 金:前売り1回券1,100円、3回券3,000円、5回券4,000円、他

 トークショーもあります。詳細はシネ・ヌーヴォのホームページをご覧下さい
http://terra.zone.ne.jp/cinenouveau/tsuchimoto_filmo_hp/tsuchimoto.html

───────────────────────────────────
(4)原田正純著『水俣病』(岩波新書)のインドネシア語版が出版
───────────────────────────────────
 原田さんの岩波新書『水俣病』は、水俣病を知るにあたって最も基本的な文
献です。昨春、水俣病患者連合の企画として英語版を出したところ、インドネ
シア語に訳したいとの申し出をいただき、このたび出版されました。

●Harada Masazfoot_bl "TRAGEDI MINAMATA"
出版社: Media Kajian Sulawesi, Makassar, Indonesia

※なお、相思社では扱っておりませんので、ご入り用の方は出版社に直接連絡
 していただければ幸いです

───────────────────────────────────
(5)「頭髪水銀値(註1)200ppm以下では水俣病は起こらない」
      驚天動地の滝澤発言               遠藤邦夫
───────────────────────────────────
 2005年3月24日、国立水俣病総合研究センター第3回公開セミナー「食
と健康」が開催された。そこで滝澤行雄氏(肩書きは水俣市助役、元国水研所
長)は、「頭髪水銀値200ppm以下では水俣病は起こらない」「現在の暫定基
準は低すぎる」と発言した。滝澤氏は「DHA/EPA(人間の必須脂肪酸)がたく
さん入っている魚を食べましょう」と提言し、それを補強するために水銀の暫
定規制値(註2)の根拠が乏しいことを論証した。
 この発言は、水俣病事件に関わってきたものとしては看過できない。研究者
や関係者の議論としてなされる範囲では、それがどんなに荒唐無稽な主張であ
ろうと自由ではある。しかし滝澤氏は水俣市の助役であり、この発言は一種の
政策提言に等しいわけだから、発言には公的な責任が発生する。少なくとも水
俣市は現在まで、魚に含まれる水銀の暫定規制値に対して疑義を提起してはお
らず(水俣湾の魚介類対策や調査はそれに従ってなされてきた)、滝澤発言は
それと矛盾をきたしている。
 誤解して欲しくないのは、魚を食べようという滝澤氏の結論に私は反対では
ない。しかしそれは魚のリスクとベネフィットにまつわる情報が公開されて、
実際に魚を食べる人が判断できるような条件が整っていることが前提である。
厚生省がカジキやキンメダイや鯨等について、妊婦や幼児に注意して摂取する
ように呼びかけた時、一時的ではあれリスクコミュニケーションが機能せず、
キンメダイが全く売れないというパニック状態があった。この現実を踏まえる
ならば、魚食を勧めるために200ppmなどと言う手前勝手な数字を持ち出すこ
とは、百害あって一利なしと言えるだろう。
 滝澤発言に対しては相思社機関誌「ごんずい」88号(2005年5月25
日発行)で、詳細に取り上げる予定である。

註1:頭髪水銀値
 日本では水俣病の一つの基準として、頭髪水銀値50ppmが水俣病発症レベル
であると想定してきた。この頭髪水銀値は、水俣病を発症させるメチル水銀の
最低蓄積量(閾値)は、体重51kgの人で25mgであると統計的に把握したこ
とと並行している。
註2:水銀の暫定規制値
 1973年7月第3水俣病パニックを受けて、厚生省が昭和四十八年七月、
専門家会議の提言を踏まえて「魚介類に含まれる水銀の暫定規制値」を定めた。
「総水銀濃度0.4ppmかつメチル水銀0.3ppm」を下回れば問題なしという
判断だ。厚生省によると、魚を多食する地域の平均摂取量(1日魚肉108.9
g=国民栄養調査)から計算。体重50キロの人が1年間、毎食魚を食べ続けて
も水銀で健康を害さない数値という。

───────────────────────────────────
(6)みかん便りNo.7 恐怖、サビダニの被害、、、対応策は?
───────────────────────────────────
       (相思社のみかん担当者、坂西卓郎が日記風にお送りします)

※誰も気付かないでしょうが、みかん便りNo.6が飛んでいます。No.7
 と2つ掲載したかったのですが、やはり長いのでNo.6はホームページか
 らご覧下さい
  みかん便りNo.6「甘夏をまるごと味わう」〜甘夏マーマレード作り〜
  http://soshisha.org/if_02.htm#no.6

 4月8日、生産者の人たちに集まってもらって、今年度の栽培方針について
話し合いました。今年は新しく相思社の生産者の会に、肥薩自然農業グループ
の新田九州男さんと吉田浩司さんが加わってくれました。そのお二方を交え、
今回議論になったのは「サビダニ」についてです。名前のとおりダニの一種で、
非常にやっかいな害虫です。やっかいというのは、肉眼で見えにくく、広がり
が早く、薬が効きにくい、そして被害が酷い、という特徴があるためです。
 今回、新田さん達が話してくれたのは、「サビダニが肉眼で見えるようにな
ってからでは遅い。サビダニは卵の状態で越冬し、新芽の時期には孵化して葉
っぱについている。その時期に40倍ぐらいのルーペで確認して、対処しないと
いけない。」ということでした。現在、生産者の会ではサビダニへの対処とし
て、「せっけん」を使っています。水俣の家庭からの廃油をリサイクルして作
った安全なせっけんです。ですが安全な分、効果が弱く、タイミングがズレる
とあまり効果がでません。例年はサビダニの被害が出だしてからあわててせっ
けんをかけるのですが、時すでに遅し。その時には既に別の木に移ってしまっ
た後なんです。孵化した直後にせっけんを散布しないといけない。英子さんな
んかは「はぁ〜。みかん作りは50年以上やっとるばってんが、サビダニが(最
初は)実じゃのうて葉につくなんて、そげんこと考えもせんかった。」と驚き
の声を上げ、一同爆笑。
 今年度は肥薩自然農業グループの方々の加入によって、色々と改善すること
でより美味しくて質の良いみかんをお届けできそうです。ただ僕なんかは、英
子さん達の今までのみかん作りの方法というか、考え方というのもライフスタ
イルとしていいな〜、とつい思ってしまいます。僕が以前関わっていたあるN
GOではアジアの研修生に有機農業の研修を行っているのですが、ある研修生
から「有機農業をするようになってから忙しくなった。以前は農業の合間に子
どもと遊んだりしていたけど、そういった時間も無くなってしまった。」とい
う話がありました。確かに有機農業というのは素晴らしいことだと思いますが、
農薬などに頼らない分、どうしても手間がかかります。もちろん農薬や化学肥
料を使わずにできるならばそれに越したことはありませんが、それで生産者の
生活が過度に圧迫されるのはどうかなと思ってしまいます。だから相思社は完
全有機無農薬でなく、低農薬を指向しているんだと勝手に考えています。人に
害を与えない程度で、かつ色々な意味で持続的な農の営み。相思社の生産者の
ように高齢化してくるとただでさえ大変になってきます。サビダニなどの害を
野放しにしておくことはもちろんできませんが、猪やヒヨドリなんかにも毎年
のように食べられながら、それでも笑いながらみかん作りをしている英子さん
たち。それはそれでいいなーと思ってしまうのは、生産の現場をまだよく分か
っていないからなんでしょうか?


※ネットワークこそが相思社の力です。ご意見、ご感想、ご叱責等なんでもお知
らせいただければ幸いです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
財団法人 水俣病センター相思社
〒867-0034 熊本県水俣市袋34番地
電話 0966-63-5800/FAX 0966-63-5808
Web Page http://www.soshisha.org/
E-mail  info★soshisha.org (★を半角の@に変えてください)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


2005年 に戻る