生産者紹介



お届けするりんごを作っているのは、3軒の須田さんです。

左から、須田一男・良江さん、須田浩吉・真佐子さん、須田保・ゆり子さん



2006年6月 長野県佐久穂町・須田りんご園訪問記

               −遠藤邦夫−



「八千穂は今やりんご栽培の最適地となった。日本で一番おいしいりんごだよ」と、ジンギスカンを食べながら須田保さんは語る。

須田さんのりんご園は、名峰北八ヶ岳の北東部山裾の陽当たりの良い尾根にある。須田さんは長く山岳救助に関わってきた山男でもある。冬には鹿や熊を追って、雪に覆われた八ヶ岳山麓を山スキーで駆け回る。

雪のない時期にはクマザサで行けない沢の奥にある、この世のモノとは思われないほど美しく凍結した滝の話は始まると終わらない。


左から須田保さん、圭一さん、ゆり子さん
 須田さんと相思社のつきあいは長い。そもそも相思社が何で、長野のりんごを扱っているのか? 今となるとその理由を知っている人は少ない。

1970年代に有機農業研究会で、須田さんと初代相思社世話人柳田耕一さんが出会ったことから始まった。須田さんは有機農業の話しを聞いて、それまで多くの農薬を使っていたりんご栽培をいきなり無農薬にしてみた。そうするとりんごの木は病虫害の見本展のようになって、食べられるりんごはできなかった。

「うーん無農薬は無理だ」と悟ったが、それでも農薬を減らしてより安全なりんご栽培を行ってきた。その話しに柳田さんが感動して、「それでは水俣の甘夏を長野で売ってもらって、その代わり九州で長野のりんごを売ります」と話が進んでいった。いわゆるバーター取引というやつだ。その後事情があってバーターは出来なくなったが、おいしい八千穂のりんご販売を相思社は続けてきたということでだ。


須田さんとリンゴ園
「最近でもないけど、りんご園の手伝いにやってくる学生たちは女ばかりが元気だな。男はおとなしいといえば聞こえがいいけど、なんだか覇気がないようだ」

「それは水俣でも同じです。食卓の周りは女性が陣取って、男はそのまわりでおこぼれに預かっているって感じかな」

「どうなっているんだろう」等々と、四方山話しながら八千穂の夜は更けていった。
翌日保さんと百合子さんと後継者の圭一君と一緒に、りんご園にあがっていった。
りんごの木を見ても品種は分からないが、須田さんは「これはつがる、これは紅玉」と見分けがつく。
そういえばみかんだって、私は実がなってはじめて「温州だ、伊予柑だ」と分かるくらいなもので、なじみのないりんごが分かるはずはないと妙に納得する。
りんご園を初めて見るわけではないのだが、初めてみたような気分になって分からないことを聞きまくる。
Q:木の根本のところが白くなっていますが?
A:りんごの幼木は特に凍害に弱いので剥凍剤を塗っている。

Q:木の周辺にはワラが敷き詰められているのは何故ですか? 
A:地面の乾燥防止と最後には肥料になるもんね。

Q:草が結構生えているんですが、草刈りはどれくらいの頻度でしますか? 
A:
10日に一回ぐらいかな。刈り取った草は木の根本に敷き詰めて、地面が乾燥しないようにするんだ。

Q:一列に並んだ木にそって線が張られていますが?
A:
幼木の内は風で倒れることがあるから、この線で支えるんだよ。

Q:小さな木が間に植えられていますが? 
A:これはメイポールという品種で、食べてもおいしくないけど受粉樹として植えている。りんごの受粉は自家受粉より、他の木の花粉を付けるほうが良い実ができる。

今年のりんごの出来はどうですか? 
A:うん、もう最高だよ。これから雨が適量降って陽差しが良ければ、秋にはおいしいりんごができる

と、きっぱりと須田さんは応えてくれました。

 
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