A6 水俣湾はどうなっていますか?

 水俣湾に堆積した水銀ヘドロのうち、水銀濃度が25ppm以上のものについて、熊本県が14年の歳月と485億円という巨額の費用をかけて、一部しゅんせつ一部埋立工事をおこないました。その結果、水俣湾には58ヘクタールの埋立地が生まれました。水俣湾の水質は、海の透明度や汚れの度合いでは熊本県でもきれいな海のひとつに数えられ、泳いだり遊んだりするのには何も心配はいりません。湾内の魚については、県が1974年(昭和49)に汚染魚の拡散防止と県民の不安解消のため、水俣湾入り口に仕切網を設置し、漁協の協力により湾内の魚の捕獲をおこない、捕った魚はチッソが買い上げ処分していました。
 水俣湾の魚介類の水銀値は、1968年(昭和43)にチッソがアセトアルデヒトの生産を停止してから下がり続け、熊本県の調査で1994年(平成6)10月には、平均値で国が定めた暫定基準(総水銀0.4ppm・メチル水銀0.3ppm)を超える魚種はいないことが確認されました。このため、1997年(平成9)7月、熊本県知事が安全宣言を行い、10月には仕切網が撤去されました。魚の安全性については、水俣湾の魚も他の海域と同様になったといえます。
 撤去後は、水俣湾の魚介類水銀調査が、3年間にわたり年2回ずつ行われました。大規模な環境破壊を経験した、水俣の海と地域住民の健康に関するデータは、水俣病の教訓として広く世界に伝え、生かしていくことが求められています。そのためにも、長期的な監視が望まれます。