
水俣に来てから22年になる。
最初は生活学校に住んでいた。
2年目は坪段(月ノ浦)の患者の離れを借りて住んだ。
3年目から相思社のすぐ近くの陣原団地に移った。
陣原団地は相思社から近いことと家賃が安いこと(月4,000円くらいだから、都会から見るとべらぼうに安いし、水俣でも格安の部類だ)もあって、歴代の相思社職員の大部分は陣原団地に住んでいる。
陣原団地には18年住んだ。
今は街中の借家に住んでいる。
どう見ても陣原団地(築30年くらい)より古いボロボロの借家だ。
家賃はポンと上がってしまったが、陣原団地よりはずっと広くなったのと街中に近いのでワリと気に入っている。
庭(裏庭)も結構広くって、久しぶりに庭先農業?をやってみた。
作ったのはインゲン豆、ほうれん草、トウモロコシ、ナス、トマト、ピーマン、カボチャ、それにスイカだ。
すべて生活学校時代に作った経験のあるものばかり。
生活学校時代に作ったスイカは収穫直前、カラスに食われてしまった。
スイカ以外はそれほど難しくはないので、何とかなるだろうと思っていた。
スイカは「たぶん無理だろう」と思いつつも、小玉スイカを一株だけ、苗を買ってきて植えてみた。
茎が伸び、花が咲いた。
しかしなかなか実が着かない。
街中なので虫が少ないせいだろうか。
毎日のようにながめていたら、一花だけ実が着いて大きくなり始めた。
だ円形のスイカで長径で20センチちょっとくらい。
一応、追肥をやったり、刈ってきた草を座布団にしたり、時々上下をひっくり返して全体に日があたるようにしたりと、それなりには手間をかけてみた。
スイカは収穫時が難しい。
早くとるのは禁物だ。
熟しすぎると腐ったり、鳥に食われたりする。
1個しかないので失敗すればそれでお終い。
「ええいっ」と7月の終わりだったか、8月の最初だったかに収穫してみた。
さっそく二つに割ってみると、何となくいけそう。
食ってみるとかなり甘い。
娘と二人で「うまい、うまい」と言いながら食った。
畑作りから収穫まで4ヶ月くらいかかったのに、できたスイカは2日で食ってしまった。
たった1個のスイカだったが、満足であった。

半分に切ったスイカ。
たった1個だったけれどおいしかった。
ピーマンやナスもワリとうまくできた。
ミニトマトは寒くなっても実が着いていた。