南稜高校で杉本肇さんと講演してきました。

今日は杉本肇さんと二人で熊本県立南稜高校さんへ講演へ。

普段は一人での講演が多いですが、今週は二人で行くことが多く、移動時間が愉しいひとときです。

南稜高校さんは、生産科学化、園芸科学科、環境工学科、食品化学科、生活経営科、普通科などがあり、校内に水田があったり馬を飼っていたり。ジャムや お酒も作っていました。校庭の植木がキレイに剪定されていたり、校内がキレイに掃除されているのはきっと生徒さんや先生方の努力なのでしょう。

帰りには彼ら自慢の素敵なシクラメンの花とお米と乳酸飲料をいただきました!これがまた美味しい!

http://sakura1.higo.ed.jp/sh/nanryosh/

 

 

 

 

今日、私に与えられたお題は「水俣病事件の概要と現状」。私自身は公式確認からの歴史の半分程度しか生きていないので、直接に知っていることは少ないのです。でも工夫次第で語れることはいくらでもある。

自分が経験したこと(普段の患者相談業務や水俣生まれの生い立ち)と絡めながら、事件の歴史を紐解きました。

寒い中、礼儀正しい生徒さんたちは、正座して前を向き話を聞いてくれているのですが、私が一方的にしゃべるだけではフェアじゃありません。講演や案内って一緒に作りあげていくものです。

途中からマイク片手に会場内を歩きまわり、無差別にマイクを向けて質問攻めに。「あなたはどう思う?」「あなたがこの立場だったらどうする?」。当てられた「あなた」に一瞬で視線が集まります。

「そう、あなたも当事者」。水俣病は、決して他人ごとではない。きっと、彼らにとっては相当に迷惑なねぇちゃんですが、熊本県内で生まれ育った子どもたちが進学や就職で他県に出たときに、地元で起きた水俣病について自分なりの説明ができるようになってほしい。

 

そして杉本肇さんの語り。

まずはPTA会長を勤める水俣高校の持久走大会や最近行った出張の話から導入。笑いのセンスがバツグンの杉本さん。ちょっとしたことで早速笑いが起きます。こういうアイスブレイクですね。

茂道漁村の網元だったご自身の実家の暮らし。おばあちゃんの発症の様子と周囲からの差別。

可愛がってくれた大好きなおじいちゃんが劇症型の水俣病で救急車で運ばれて亡くなったこと。それ以降、救急車の音を不安で仕方なかった話。

両親が入院し子どもだけで暮らした夏休みを含む三ヶ月、退院してきた母を迎える弟達の笑顔に気付かされた親の大切さなど。

具体例も沢山あげながら、最後には過去に学び、未来を見つめることの大切さを説いてくれました。

辛かったり哀しかったりの話なのですが、時折、通知表の夏休みの様子の保護者欄を自分で書き、その評価をやたら高くした、なんていう話も交えられてほっとします。そんな1時間はあっと言う間でした。

 

杉本さんは語り部が年間60回、やうちブラザーズが年間60回。計120回も講演(公演)をこなすそう。

今日、永野の講演を初めて見たという杉本さんから、「そのマイクパフォーマンス、盗んでいいかな?」と。ご講演で使うのか?と思ったら、なんとやうちブラザーズで!

コミックバンドに技を盗んでもらえるなんて・・・?!

明日は水俣はあらせにて、やうちブラザーズのディナーショー。そのマイクパフォーマンスが見られるかも?!

http://yauchi-brothers.cocolog-nifty.com/

http://www.youtube.com/watch?v=9JM46YDOoq4

 

これからも、彼ら自身が水俣病事件の歴史の一コマ一コマについて考え悩めるような問いかけ型の授業を、模索したいと思います。

 

 

 

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