(終了)オンラインへの挑戦・合宿プログラムの改訂!!

無事終了いたしました。30名近くの方が参加してくださいました。ありがとうございます。

【オンラインへの挑戦・合宿プログラムの改訂!!】

10月31日(土)~11月1日(日)の合宿の『オンライン版』について、ご要望が相次いだため、全体のプログラムと料金設定を見直し、二日参加のしばりを解きました。天野さんと杉本さんの講話の時間を延ばし、語る人と聴く人の対話の時間をたっぷりとります。泉から水が湧くように、たくさんの人の体験や感覚が、こんこんと溢れる時間になるのだろうと思います。

一日目

9時30分-10時 鬼頭秀一さん講義「水俣との出会い、宇井さんが投げかけたこと」

10時-10時45分 永野三智講話「ライブ感覚で聴く水俣病事件」

翌日のフィールドワークに備えて地図を見ながら、また午後からのお二人の講話に備えて、水俣病の基本的を押さえ、「人」の歴史を追いながら、水俣の暮らしの豊かさと、そこへ投げ込まれた毒の被害を追っていこうと思います。

11時-11時30分 グループワーク

13時00分-14時30分(12時30分からの可能性もあります) 天野浩さん講話

天野さんがおじいさんから引き継いだ、在来のお茶。

祖父の時代、1949年に石飛集落に入植した天野家。直後に水俣病が発生してお茶が売れなくなりました。最近まで、水俣でとれるお茶は、名前を出すと売れず、福岡県八女産として売られ。

日本中で同じ遺伝子の茶の木に植え替えられたため、現在はほとんど残っていない「在来種」が、水俣にはたくさん残っています。茶の木の一本一本が違う遺伝子を持ち、とれる茶葉はそれぞれに違う味がする在来種。香り高く、お茶ならではの渋みがあり、野趣あふれる力づよい味と香りが堪能できます。

祖父のあとを継いだ天野さんの父の茂さんは、家族の病気をきっかけで、1979年、完全無農薬栽培のお茶作りに切り替えました。今でこそ、無農薬や有機は評価が高いけど、当時は薬を使った方がうつくしいお茶が作れるし売れる。だけど、水俣に住んでいると水俣病とは離れられない。水俣病の原因は食べ物で、自分も、口に入るものを作る者として責任があると、無農薬を続けてきました。

無農薬で作ると、新茶は虫の害がなくて良いお茶ができます。番茶は病虫害が多くて緑茶として売れないが、紅茶には良い。専門家から見れば、紅茶らしくない、だけど和食にばつぐんに合う甘みのある紅茶です。2011年からは〝とらや〟の「紅茶羊羹」にも採用されています。

いま浩さんが大切にしているのは、無農薬、無肥料による栽培方法を守り、除草剤を使わないこと。直射日光を遮るものがない茶園では、草取りは何より大変だが、虫も木も健康でいられことを大切に、この山から水俣の海に毒を流さないことを決めています。そういった話に加え、どんどん自由になっていく天野さん自身のこと、もやいなおしに携わった経験もお話しいただきたいと思っています。

少しだけ、次の講座でお話をいただく杉本肇さんのお母さん、杉本栄子さんと海辺を歩く映像も、少しだけ流す予定です。

15時-17時 杉本肇さん

お話の中の中で、とっても印象的なのが、跡継ぎと思いこれでもかというくらいに杉本さんを愛されたおじいさんのこと。おじいさんが水俣病を発症なさる以前、愛された経験が生き生きと、本当に惜しみなく、あふれる言葉で語られるのです。杉本さんの大切なその人に、会ったことがないのに、生き生きとした声を聞いていると、おじいさんがそこにたち現れるような錯覚に陥ります。

それに、本当に幼い頃から漁の手伝いをされていた杉本さんの、豊かな海の記憶。目の前に広がる原風景。判決を受けた日、その漁を「もう、せんでよか(しなくて良い)」と言われて世界が変わってしまったこと。これは、大変深い意味を持っていると思う。

金銭では買えない海での、また漁という幸福な経験を、金で買われたといった、苦しみがひしひしと伝わってくるのです。話が終わってもまだ、ずっと考え続けているのです。そして、おとなになって漁師になった杉本さん。船の上の杉本さんは、幸せそのものの顔をしているな、と思います。

二日目

9時-10時 水俣病歴史考証館の見学はリアルタイムのオンライン!

10時15分-11時35分 鬼頭秀一さん講義「SDGsから改めて『水俣』を見直す-現在の一般的なSDGs理解がいかに間違いであるのか。それは、水俣を捉え直すところから見えてくる」 今年はSDGsが深堀りされ、鬼頭さんらしい愛があふれ、しっかりと毒も射られる、そんな内容になるのではないかと期待しています(→これ、相思社機関誌「ごんずい」のモットーでもあるのです!!)。どんな話、また言葉が聴けるかほんとうに楽しみです!!

11時45分-12時30分 グループワーク

13時30分-14時45分 「フィールドワーク」 相思社機関誌『ごんずい』の連載「住めば水俣」が話題、元カメラマンでSEで、元インターネット新聞社の記者、客観と主観と毒舌とが混在する葛西が、独自の視点で務めます。事前に撮影した映像を流しながら弁士方式で行うことを検討中。ZOOMの機能を存分に使い、映像を流しながら、みんなでチャットに書き込んでいただき、その質問に答えていこうとしています。

15時-17時 まとめおよび、 「伝えるためにor教えるために何ができるか」 伝えるために何が必要かのワークショップ→教員の方は、学校の授業で、そうでない方は、広く伝えることを考える。

料金の設定について、

1日目、午前中のみ、2千円、天野さん、2千円、杉本さん、2千円

2日目、午前中、2千円、午後、2千円

通しで3千円(余裕のある方はカンパ願います)です。

参加費は、合宿の終了後に「自分はこのスタイルで参加したなー」という自己申請制でお振込み下さいね。

まずは、一口でも食べて欲しい。止まらなくなっても責任は持ちません。 今回はちょっとした毒も込められた合宿ですが、毒がある方がやめられなくなりますよね。

参加申込は、タイトルに「合宿申込み」と記して「住所・氏名・電話・オンライン/リアル」を記載の上、 info@soshisha.org までお願い致します。

終了後のお振込口座は以下のどちらかへ。いずれもコメントに「オンライン合宿」とお書き下さい。

お振込みは「オンライン合宿」と書いて、以下の講座へお願いします。

【郵便振替口座】

[口座番号]01990-8-25341 [加入者名]「水俣病センター相思社」

【銀行振込口座】

[口座番号]肥後銀行水俣支店(普)0244267[加入者名]「一般財団法人 水俣病センター相思社 理事長 富樫貞夫」

水俣での教員免許更新講習は、教育の現場で水俣を考え続ける、ひいては社会や人生の課題を重ねる貴重な機会。私自身、一年を過ごすうえでもう一つの「新年」を迎えるような人生の大事なリズムです。真摯に向かい合ってくださる参加の皆さんへ、「水俣」をテーマに全力でぶつかっていったこの6年の講習が、自分の一部になっています。

今年は中止となりましたが、本日鬼頭さんとの打ち合わせの結果、上記の日程で、個別の開催が決まりました。

【次年度以降、水俣での教員免許更新講習を一緒に開催していただける機関を探しています。ご紹介いただける機関がありましたら、ぜひお知らせください】

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